第四回 文化審議会著作権分科会法制問題小委員会 意見書 2009/08/25
2009-09-21


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文化審議会著作権分科会法制問題小委員会(第4回)議事録 (作成中)
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 第四回 文化審議会著作権分科会法制問題小委員会 意見書
             障害者放送協議会著作権委員会 委員長 井上芳郎

1.はじめに

○文化庁資料「著作権法の一部を改正する法律案の概要」(第一回法制問題小委
員会資料)では、「障害者の情報利用の機会の確保」に関し、来年1 月1 日の
「改正著作権法」施行により「障害者も健常者と同様に多様な情報へのアクセス
が可能」になるとされている。
○今回の法改正は障害者等の情報保障促進の観点からいえば、大きな前進であり
歓迎すべきことと評価している。しかし残念ながら、あくまでも現行著作権法の
枠内での改正ということもあり、私どもが十年来要望してきた内容から考えると、
積み残しとなってしまった課題も多いのである。
○引き続き著作権法の抜本的な見直しを要望していくものではあるが、今回は
「権利制限の一般規定」(日本版フェアユース規定)導入により、この積み残さ
れた課題解決への道が一部開けるものと考え、導入に対しては「是」とする立場
で意見を申し述べたい。

2.権利制限の一般規定(日本版フェアユース規定)導入による障害者等の情報
保障

○私どもは過去二回にわたり本著作権分科会小委員会の場で、障害等の理由で著
作物をそのままの形式では利用できない多くの人々が存在し、またその困難の様
態については実に多様であり、現行著作権法での限定列挙的な権利制限規定での
対応を取る限り、全てを網羅することは不可能であると、説明してきたところで
ある。
○今回の法改正では文化庁の国会答弁で示されたように、「視覚や聴覚により認
識することに障害のある者であれば広く障害の種類を問わずに権利制限の対象と」
し、「典型的なものとして視覚障害者や聴覚障害者」を示したが、「これはあく
まで例示」であるとしている。私どもの主張の一部が取り入れられたものと理解
している。
○このことにより権利制限規定の対象となる者の範囲が広げられ、一歩前進した
ことは歓迎するものであるが、「視覚や聴覚により認識することに障害のある者」
という再定義に留まったため、例えば治療のためギブスで上肢を固定している人、
ALS(筋萎縮性側索硬化症)やCP(脳性麻痺)等で、視覚による認識は可能だが
特定のユーザーインターフェースを必要とするため、形式変換(電子化)されな
ければ情報を得られない人々、また高齢や疾病等でいわゆる「寝たきり」の状態
になった人等が、その対象として含まれるのか必ずしも明確ではない。
○対象者の認定方法について文化庁の国会答弁では、「障害者手帳とか医師の診
断書も一つの方法」だが情報提供の「事業主体が個別に確認をしていく」とのこ
とである。これは私どもの要望の一部が理解されたものと歓迎するものではある
が、かえって法文上に明確に示されないという理由から、事業主体側等の判断で
対象者が狭く限定されてしまうおそれもある。
○私どもの要望としては、障害その他の個別的理由によらず、通常の形式で提供
される著作物の利用が困難であるという事実をもって、その対象者にすべきと主
張してきた。今回の「改正著作権法」の解釈や実際の運用上の配慮から、前述の
ような人たちも対象にされるべきと考えるが、権利制限の一般規定(日本版フェ
アユース規定)の導入により、さらに円滑な解釈や運用が可能になるものと考え
る。

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