怠けてなんかない! ディスレクシア セカンドシーズン 品川裕香 (著)
2010-05-06


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著者からのご紹介です。
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このたび、岩崎書店からディスレクシア(読み書きのLD)の本の第二弾:
『怠けてなんかない! ディスレクシア セカンドシーズン
あきらめないー読む・書く・記憶するのが苦手なLDの人たちの学び方・働き方』
を上梓いたしました。

知的にはなんら問題がないのに、生まれつき、字を覚えることが苦手で、だから
読めないし書けない・・・・・・。
前作は、そんな「読み書き困難」「読み書きのLD(学習障害)」=ディスレク
シアを持つ子どもや青年たちの生の声を伝え、ディスレクシアとは何か、どうい
った指導をすればいいのか等について解説した入門書でした。
あれから7年。
発達障害者支援法や改正学校教育法が施行されましたが、いまだディスレクシア
の子どもたち・青年/成人たちはその特性が理解されず、学校や職場で「怠けて
いる」「やる気がない」と責められ、本人自身もなぜ読み書きできないかわから
ないという過酷で辛く孤独な日々を送っています。
「読み書きができない障害」と聞くと珍しい障害だと思われるかもしれませんが、
言語性別文化を問わず全人口のおよそ1割はそういったタイプの脳を持っている
と言われています。
実際、英国のチャーチル首相や前ブッシュ大統領をはじめ、アガサ・クリスティ、
アンデルセン、ジョン・アーヴィングなど、私たち日本人が知らないだけで、す
ぐれた才能を発揮する政治家・作家・学者・プロフェッショナルたちは無数にい
るのです。
このたび上梓した本書は、子ども時代にディスレクシアとわかりそれなりの教育
を受けてきた青年・成人たち、あるいは自分がディスレクシアだと20過ぎるま
で知らなかった青年・成人たちへのインタビューが中心です。それぞれどんな思
いを抱え、どうやって進学・就労に立ち向かっていったのか、どういう指導や支
援に助けられたのか、代表的な方々を中心にご紹介しております。
それにしても専門的な教育を受けることができなかった方々が経てきた日々は筆
舌に尽くしがたく、取材中何度も激しく胸揺さぶられ、言葉を失いました。
ニーズに応じた教育が、しかも早い段階での自己理解と適切な指導いかに大切で、
どれだけのちの人生に影響を与えるか……。
また彼らを効果的に支援するIT機器などテクニカルツールの紹介(←これはち
ょっと自慢です!)に加え、我が国のディスレクシア専門家による具体的な指導
ノウハウの公開など、今日から使えるスキルを満載したつもりです。
巻末には相談・教育機関のリストやチェクリストも掲載しました。
特別支援教育が始まって丸3年経ちましたが、ディスレクシアの子どもや青年・
成人たちの思いはまだまだ教育現場や就労現場に反映されず、ディスレクシアへ
の理解・啓発や指導・支援は先進諸外国のなかでは我が国は遅れていると言わざ
るを得ません。
今後、小学校で英語が始まると、ディスレクシアの子は高い確率で躓きがちだと
言えます。そんなとき、どうやって学べばいいのか戸惑う児童生徒、どうやって
指導・支援していったらいいのか戸惑う保護者教育者は必ず出てくるでしょう。
また、就労不安定者の苦手意識を調査した厚生労働省のデータによれば、「読み
書き計算が苦手」な人たちは30%以上いるのです。
若者就労支援をするのであれば、支援者たちに税金を配る前に、まずはディスレ
クシアの理解啓発と指導支援から、といっても過言ではないと就労不安定者を長
年取材していると痛感しています。
そんな思いを抱え、2年前から取材を開始し、多くのディスレクシアの青年/成
人たちにお会いして出来上がった一冊です。


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