インクルーシブ教育における合理的配慮および必要な支援について(抜粋)
2010-10-05


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   インクルーシブ教育における合理的配慮および必要な支援について
                  財団法人全日本ろうあ連盟 久松 三二

1.全ての障害に共通する事項

○1 全ての障害に共通する合理的配慮および必要な支援

・学級を構成する児童・生徒全員が参加できるよう教授方法の創意・工夫
・試験方法の工夫、試験時間の延長、試験環境の整備および評価方法の工夫
・点字、手話、デイジー教材(注1)等のデジタル教材等のコミュニケーション
 方法および手段の確保
・個々の障害の状態やニーズに対応した教科における配慮(例:視覚障害の図工
 ・美術・体育、聴覚障害の音楽・体育・英語、肢体不自由の図工・美術・音楽
 ・体育等)
・バリアフリーおよびユニバーサルデザインの観点を踏まえた個々の障害の状態
 やニーズに対応した適切な施設整備
・障害の状態やニーズに対応した身体活動(行動)スペースや遊具・運動器具等
 の確保
・個々の障害やニーズに対応した教材等の確保(例:デジタル教材、ICT機器等
 の利用)
・学級担当教員(担任)への負荷が集中しないための副担任の配置
・障害の状態やニーズに対応した専門性を有する教員、カウンセラー等の配置
・移動や日常生活の介助、情報やコミュニケーション保障及び学習面を支援する
 人材の配置
・個々の障害の状態やニーズに対応した指導方法等について指導・助言する理学
 療法士、作業療法士、言語聴覚士、社会福祉士、精神保健福祉士等専門家等の
 確保
・カウンセラー、専門性を有する教員、支援する人材および上記専門家等の配置
 や条件整備をコーデイネートするコーデネイターの配置

○2 全ての障害に共通する条件整備

・介助員、通訳者、カウンセラー、専門家等の人材養成、派遣、配置制度の整備
・移動、交通バリアフリー法、著作権法、放送法、総合福祉法、情報・コミュニ
 ケーション法等の法整備
・関係機関(障害者支援センター、情報提供施設、医療機関等)との連携
・個々の障害の状態やニーズに対応した支援や指導システムについての研修制度
 の整備
・個々の障害の状態やニーズに対応したコミュニケーションツール(点字、手話
 等)の学習・研修体制整備

 注1:DAISY(Digital Accessible Information System、日本では『アクセシ
 ブルな情報システム』と訳されている)図書は、視覚障害、学習障害、知的障
 害、精神障害の児童生徒に有効であり、聴覚障害児にとっても、日本語の読み
 書きにハンディを持つ場合は効果がある。デイジー図書・教材を整備するため
 著作権法を改正し、デイジー図書・教材とそのための機器を整備していく事業
 が必要である。

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