国民読書年記念国際シンポ/国立国会図書館 東京本館 2010/12/01-02
2010-12-02


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国民読書年記念国際シンポジウム
「本を読むという文化−デジタル時代における展開
‐創造性とアクセスを育む手段としての著作権‐」

 インターネット時代の読書には何が起きているのでしょうか。何世紀にもわた
って育まれてきた読書や本の文化にデジタル時代は終止符を打つのでしょうか。
このような問題に取り組むために、国立国会図書館は、国際図書館連盟(IFLA)、
世界複製権機構(IFRRO)、世界知的所有権機関(WIPO)、国際出版連合(IPA)、
日本複写権センター、学術著作権協会、日本書籍出版協会の協力のもとに、2日
間のシンポジウムを開催します。このシンポジウムは、日本における国民読書年
(平成22年)を締めくくるイベントのひとつでもあります。シンポジウムでは、
デジタル情報通信技術時代の中で、図書館、著者、出版者がどのように読むとい
う文化を育んでいくことができるかを考えていきます。電子書籍、オンラインラ
イセンス、新たな技術基盤等、従来型にとどまらない、著作物への斬新なアクセ
ス方法を取り上げます。また、すべての人々が著作者であり、読者となりうる到
来しつつある情報時代において、著作物の保護と利用のバランスを図ることが創
造性を育みアクセスを促進するために果たす役割について議論します。

 1日目に長尾真国立国会図書館長、2日目に小説家リービ英雄氏(法政大学国際
文化学部教授)の基調講演を予定しています。

 ちらし [PDF file: 256KB]
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 プログラム全文 [PDF file: 159KB]
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 発表者略歴 [PDF file: 562KB]
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 発表要旨 [PDF file: 373KB]
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発表要旨(抜粋)

6.特別なニーズのある人々及び印刷物を読むことに障害
  がある人々のアクセス方法

6-1 河村宏
国連障害者の権利条約に基づく著作権と印刷物を読めない障害者
の読む権利との調和

国連障害者の権利条約には「合理的配慮」の概念が含まれている。WIPOステーク
ホルダープラットフォームによって設立された合同作業部会では、二つの権利−
著作権と読む権利−の調和について、出版と図書館サービスの革新を通じて、大
変ユニークな連携を行っている。講演では、議論の柱として、印刷物を読めない
障害者のニーズについて述べる。読むことのさまざまタイプ−すなわち、娯楽読
書と学習の読書に対する専門のための読み−を議論することで、出版物や読み物
のさまざまなタイプとの調和が見出されるであろう。オープンかつ非営利、相互
利用可能なアクセスのできる電子出版の国際基準−DAISYやEPUBのような解決策
−の発展についても紹介する。

6-2 ゲイディ・ラング

WIPOにおける視覚に障害を持つ人々及び印刷物を読むことに
障害がある人々のための努力

権利者の合法的権利を侵害せずに、著作権を保護された大量の作品−アナログで
もデジタルでも−を利用可能な形式で流通させたり、時宜にかなった方法で、多
種多様な司法権を超えて普及することはできると考えられている。この方法は、
視覚障害者や他の印刷物が読めない障害者の読み書き能力、自立、生産性向上の
機会を増大させるものである。WIPOによるステークホルダー・プラットフォーム
は、印刷物の読めない障害者の出版著作物への合理的な時間枠内でアクセスを増
やすには、どの方法がもっともよいかに焦点をあてたプロセスである。そこには、
信頼性がある媒介を通じて全世界で利用可能なリソース・プロジェクトの発展を

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