障害連事務局FAXレター No.260 「差別禁止部会意見書まとまる」
2012-09-16


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障害連事務局FAXレター No.260

差別禁止部会意見書まとまる
―地域フォーラム、地方公聴会を今後6ヵ所で開催―

9月14日差別禁止部会は部会意見の最終まとめだった。

まず、「はじめに」の部分で合理的配慮を例示する部分で、「二階の売場に行け
ない人への人力対応について、エレベーターが基本であり、優先順位として筆頭
にあげるべきではない」という意見があり、議論の結果、人力という言葉を残し
つつ、環境改善が重要であるという趣旨で文言を修正することになった。

障害女性について、「複合差別についてきちんと入れて欲しかった。今後の政策
課題として引き継いでほしい」という意見もあった。

紛争解決の仕組みでは、独立性の議論についてどういう経過で現在の意見に至っ
たかについて、やりとりがされたが、棟居部会長から「誰もに認めてもらえる法
制度づくり」という観点が出され、ほぼ原文通りとなった。

続いて「医療」、修文が出され、差別が禁止されるべき事項や場面の中で「障害
を理由として本人の自己決定や身体の自由が他の者よりも軽視される事態も生じ
る」という文が加えられることになった。さらに、本人に十分な説明と同意がな
いままに治療・入院をさせられている、という趣旨の文が入ることになった。

教育の移動支援については、移動支援の学校内に関しては学校側が責任を持つと
いう認識でまとまった。通学についてはどこが保障するかについては検討を要す
るということでまとまった。

発達障害の合理的配慮について、議論の際には一定の時間の確保という趣旨の文
言が入ることになり、障害特性というよりも本来は環境構造の問題という認識を
持つことが必要であるとの指摘がされた。

家族形成の部分では、「差別をしてはならない相手方の中に家族は除外」という
内容について、意見が出されたが、親密圏という考え方から、多くの方たちから
了承される内容にすべきだ、とする趣旨の発言が棟居部会長及び東室長からあり、
原文の通りとなった。

さらに政治参加の部分では、「相手方」に政党を入れるべきという議論があった
のではないか、との質問もあったが、政党には考え方を一緒にしている組織とい
う側面もあり、法案化の過程の中で、議論の検討課題とすることとなった。

100時間を超える議論となった差別禁止部会は、この日の議論で部会意見書が
完成することとなった。

次のステップは法案化の実現であり、その成立である。年内にも解散総選挙が予
想され、政権の枠組みも変わるかもしれないという流れの中で、障害者自身が
「差別禁止法をつくってほしい」という強い要望を持った幅広い運動が不可欠で
ある。せっかくここまできたのだから、なんとか成就させたい。

 なお、意見書の目次立ては以下のとおりである。はじめに、第1章 総則、
第1節 理念・目的、第2節 国等の責務、第3節 障害に基づく差別、
第2章 各則 第1節 公共的施設・交通機関、第2節 情報・コミュニケー
ション、第3節 商品・役務・不動産、第4節 医療、第5節 教育、
第6節 雇用、第7節 国家資格等、第8節 家族形成、 第9節 政治参加
(選挙等)、第10節 司法手続き、
第3章 紛争解決の仕組み

 最終意見書は、内閣府の障害者政策委員会・差別禁止部会
[URL]に掲載され
る。

 最後に太田から「普及のため、わかりやすいバージョンをつくってほしい」と提案
した。これについては「考えてみる」と東室長は答えた。

※今号は、日本障害者協議会(JD)の協力によってつくられました。
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