カレントアウェアネス 次世代DAISY規格と電子書籍規格EPUB3 濱田麻邑
2013-08-23


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次世代DAISY規格と電子書籍規格EPUB3

NPO法人 支援技術開発機構:濱田麻邑(はまだまゆ)

はじめに

 読みたいときに読みたい本を、その場で検索して購入し、すぐに読める時代に
なっている。電子書籍に、読み上げツールですぐにアクセスできるとしたら、こ
れまで読めなかった人々にとって、世界は変わる。

 世界保健機関(WHO)の統計によると、視覚障害者は世界に2億8,500万人いる。
ディスレクシア等の学習障害者や、本を手で持ってページをめくることができな
い上肢障害者、小さな文字が見にくくなった高齢者等は、印刷物を読むことに困
難を持つ「プリント・ディスアビリティ」と呼ばれる。また、インドのような多
言語国家では、文書が母語でない言語で書かれていることが多く、教育機会が不
十分な貧困層も多いため、文書に書かれた知識にアクセスできないことが多い。
このように様々な人々から読み上げのニーズがある。

 電子書籍で読み上げツールを活用するには、テキストデータにアクセスでき、
それが論理的にマークアップされている必要がある。例えば、テキストの画像で
あれば、文字は見えるが、読み上げツールでは何も読み上げられない。また、た
とえテキストを読めても、論理的なマークアップがなければ、読み手は何を読ん
でいるのか理解できない。

 高齢で小さな文字が見えにくくなった場合や、小さな画面で読む場合は、文字
を拡大する必要があるが、拡大して画面からはみ出すと読みにくい。拡大しても、
文字が画面に収まるように自動的に改行(リフロー)される必要がある。

 これらのアクセシビリティの機能に配慮した電子書籍のフォーマットが、
DAISYやEPUB3である。
[発達障害全般]
[支援技術]

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