日本電子出版協会プレスリリース/国会図書館に対し電子書籍配信構想に関し「日本電子出版協会案」提案 2010/02/06
2010-02-06


日本電子出版協会が下記のプレスリリースを公表しました。
[URL]

日本電子出版協会(会長:関戸雅男(株式会社 研究社 代表取締役社長)、所在地
:東京都千代田区三崎町2-9-2、ホームページ:[URL]、略称:
JEPA)は、国会図書館長尾館長へ電子書籍配信構想に関する「日本電子出版協会
案」を提案した。

 国会図書館を中心とした電子書籍配信構想(いわゆる長尾構想)に接し、日本
電子出版協会がこれまで行なってきた電子書籍の配信に関する調査・研究ならび
に実際の配信を通じて得られた経験に基づいて提案するもので、国会図書館が所
蔵する書籍を、出版者が販売を望む書籍と、出版者や著者が無償配信を許諾した
書籍に区別し、前者は出版者が商業配信を行い、後者は国会図書館が日本中、世
界中の個人や法人、団体、図書館へ無償で配信を行う形とし、加えて、国会図書
館サイトと出版者サイト間に相互リンクを設け、全体としてひとつの網羅的な書
籍等のデータベースとして機能させることで読者の利便性を大きく向上させ、同
時に出版者の商業活動も活性化させることを目指している。
 このために提案では、出版者や著者らが無償配信許諾を簡便に表明できる仕組
みを国会図書館が自サイト上に構築し、許諾が得られない書籍等は国会図書館内
の閲覧に限られるよう求めている。
 また出版者が配信を許諾する権利を確保するためには、出版者の法的権利を著
作権法上に確立する必要があるとして、関係者間の協議を開始することも提案し
ている。
[URL]

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 当協会は出版者ならびに電子出版に携わる幅広い業種の会社により構成され、
電子出版の促進・普及を目的に活動を続けております。電子書籍配信については、
これまで協会として様々な調査・研究を、また会員各社においては実際の配信事
業を行ってまいりました。その経験と当協会の理念に基づき、この度の国立国会
図書館を中心とした電子書籍配信構想(いわゆる長尾構想)に対して、以下に述
べる案を提案致します。
本提案の趣旨は、国立国会図書館が所蔵する大量の書籍等を、出版者自らが商業
的に扱いたいものと、そうでないものに区別して捉え、前者は出版者、後者は貴
図書館が、各々の責任とその役割に関する社会的通念の下で、各々が配信を行う
ことにあります。すなわち、社会共有の財産としての著作物の情報を、図書館は
無償で貸出しを行ない、出版者は販売を行なうという、長年にわたる図書館と出
版者の役割分担を、電子の時代においても踏襲することを基本としております。
それと同時にネットワーク上で両者を結びつけることにより、全体としてひとつ
の網羅的な書籍等のデータベースとして機能することも目指します。

1.本提案の目的・ねらい
 1)出版者と著者らにより配信が許諾された書籍については、国立国会図書館が
  配信を行うこととします。この配信は世界のどこからでも無料で自由に閲覧
  可能とします。
 2)出版者みずから発行・配信を望む書籍については、出版者自身が電子配信を
  行うことが保証されるものとします。
 3)国立国会図書館による配信サイトと、出版者による配信サイトには相互リン
  クを設け、6.に後述する利用を可能とします。
 4)国立国会図書館及び多くの図書館の貸し出し業務の迅速化、効率化を実現し、
  サービスの向上をはかります。
 5)国立国会図書館による電子書籍配信の実施により、出版者がその社会的役割
  を継続的に果たす上で必要な利益が不当に損なわれることがないように配慮
  します。


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